Biotope Journal Weekly vol.7 「空間と人」中国編特別レポート(2012.11.26)
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Biotope Journal Weekly
vol.7(2012.11.26)

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おはようございます。退屈ロケットのスガタカシです。
トルコはただいま午前1時。東京はとうとう夜が明けて、月曜日の朝、1週間の始まりですね。

先週は「空間と人」というカテゴリーで、中国でみた人のいとなみをキーワードごと、7日間にわたってお伝えしました……が、我々の準備不足に移動や取材も重なってスケジュールは押せ押せに。ついに日曜夜配信を破ることになってしまいました。

しかしその分、Webの記事は「人とくらし」とは一味違う、目の離せない話が満載です。今週のメルマガではWebに書ききれなかったことや記事の舞台裏をお伝えしますので、Webの記事と一緒に、どうぞお楽しみください!

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■ Biotope Journal リポート #007|空間と人 - 中国
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◇ EAT in China - 中国で食べる 文・金沢寿太郎
http://www.biotopejournal.com/space/20121119/000054

▼北京の夫婦との話で印象に残ったのが、「食べること」と「話すこと」の関連性だ。大人数で円卓を囲むような場合、大声で話さないと相手に聞こえない。中国人の話し方の「声が大きい」「押しが強い」という特徴は、こんなところに原因のひとつがあったりする。

▼中国の「麻」は尋常ではない。山椒の丸い塊を誤ってガリッとやってしまおうものなら、口の中が歯医者で麻酔を受けた後みたいになる場合も。なお本文掲載写真の「陳麻婆豆腐」は麻婆豆腐発祥の店として有名。ただ味わいは日本のものとはずいぶん違う。このように「日本式中華料理」が本場と異なるケースは多い。天津に天津飯はない。

▼トマトや卵のほかに、「土豆」がジャガイモ、「芹菜」がセロリ、というあたりも覚えておくと便利。また白いご飯は「米飯(ミーファン)」という。ただし、日本の米に慣れた舌を満足させる米が中国の食堂で出てくることは、まずないだろう。

▼「蓋飯」というのは、ぶっかけ飯のこと。並んでいる料理の中から何をぶっかけるか指定できる店もある。安くて美味しい。

▼重慶や四川を中心に有名な「火鍋」という代物がある。本場のものは、地獄のように真っ赤な液体がなみなみと注がれた鍋に具材を浸し、ごま油でコーティングするようにして食べる。美味しいのだがおそろしく辛く、翌日のトイレが不安になる。現地人でも二日連続では食べないのだという。曰く「体に悪いから」。それでも地元の人気メニューである。

▼上海をはじめ西安など様々な都市で、「上島珈琲」というどこかで聞いたことがあるような店を何度も見かけた。ただどう考えても、日本のそれとは無関係である。よくよく見ると、横にはローマ字で「UBC」と書いてあったりする。

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◇ HOME in China - 中国で住まう 文・スガタカシ
http://www.biotopejournal.com/space/20121120/000055

▼「中国の人々の清潔に対する意識がここ10くらいで変わった」という点について。記事中でも紹介した House Vision のレポートに挙げられていたのは「海外ドラマによるライフスタイルへの影響」「外が汚いから自分の部屋に入る時に靴を脱ぐ」という仮説。ただし、屋外の汚さも地域によってまちまち。たとえば上海には東京とそう変わらない清潔さのところもある一方で、そこからそう遠くないところに、ワケの分からないゴミが散乱していたりして、一概には言えないようです。

▼サイトのほうで触れられなかったことのひとつに、中国の都市部では今、おそらく日本以上に、ルームシェアがとても多くなっている、ということがあります。原因は、大都市への人口流入による不動産価格の高騰。少なくとも都市部では、日本のように若者が自力で一人暮らしをする、ということは非常に難しいようです。

▼日本でお茶というと1回、または、せいぜい2回、3回淹れたらおしまい。でも中国の人々は、同じお茶っ葉で何度でもお茶を入れるようです(どのくらい飲んだら捨てるのかは不明)。また果物好きは、健康志向によるところ。街なかに果物屋が多いだけでなく、フレッシュジュースの店はどこも人気。列車に乗り込む時は、バナナを一房買って乗り込む、と言う人が大勢見られました。

▼街なかには公衆トイレがあって使用料は1角(約1.3円)。北京や上海の公衆トイレにもすこし前までは普通にニーハオトイレがあったそうですが、海外の悪評を気にする中国政府の手によって、北京オリンピックを機にかなり減ってしまったとか。

▼長距離列車の車窓から見えるベランダを眺めているだけでも、ベランダのあるなし、洗濯物をかける場所については、地域による違いが大きいことがわかります。ただし、例えば黄砂の影響が強い北部の町、北京でも、木々の間に洗濯物をわたす、という光景は見かけたので、当然ながら、地域差以上に個人差も大きいものと思います。

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◇ PLAY in China - 中国で遊ぶ 文・金沢寿太郎
http://www.biotopejournal.com/space/20121121/000056

▼本文冒頭写真はいったいどういう状況なのか、首をひねられた方も多いと思うが、実は筆者もいまだに首をひねっている。香港の繁華街で微妙な人だかりができていると思ったら、踊っている人たちがいた。意味、意図、目的、彼らの関係性、なぜサングラスなのか、オッサンの肩の上で直立不動の犬は何なのか、とにかく徹頭徹尾、意味不明だった。何にせよ、楽しそうなのはいいことだ。

▼かなり真新しい感じのエクササイズ器具が、中国各地の公園などで見られた。全国的に同じようなものが設置されていたから、もしかしたら国民の健康増進のために何年か前に政府が設置した、のかもしれない。よく見ていると、しっかり活用している人は結構いる。

▼長距離列車の中で流れている日本の曲中国語バージョンには、懐かしい『それが大事』もあった。ただし中国語で歌われるとかなり忙しい感じになってしまい、意味はわからないけれど「負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事」のほかに10個ぐらいは大事なことを列挙していたように思う(体感)。

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◇ SHOPPING in China - 中国で買いもの 文・スガタカシ
http://www.biotopejournal.com/space/20121122/000057

▼山寨文化
サイトの記事を読むとあきらかに胡散臭くて、「こんなのにだまされないだろ」と思いがちな偽 Apple Store 。しかし、現地で見ると迫力がちがいます。スタッフは本家同様、首にはネームプレートを下げて揃いのTシャツを着ているし、ついもしかして本物?と思ってしまいます。ただ、偽 AppleStore である SmartStore の中にも、なかにはiPhoneなどの販売権は正当に取得している店舗はある模様。注意深くさえあれば、買い物には支障がないのかもしれません。

▼ぼくはVPNを有料で使っていましたが、そもそも中国のインターネットはなかなかスピードが遅くて不便。しかも時間帯によって速度が安定していなくて、だいたい夜10時〜0時は、まったく使えないレベルのちんたらインターネットです。ある中国人の説によれば、10時以降はネットゲームに大量のアクセスがあるせいで遅くなるとか。

▼9月のきびしい残暑のなか日本をでたぼくは夏服しか持っておらず、実際、さむい地域に入る前に買いものをすることになりました。kitterick という香港ブランドのでフード付きジャケットとシャツを。成都のユニクロではヒートテックや小さくたためるダウンジャケットを。上海ではネクタイをなくして、代わりを買いに行ったこともありました。デパートで細身のネクタイを探したら、あるセレクトショップ(その名もSELECTED!)には 2,3 置いてあったものの、その他の店にはひとつもなかった、というのが新鮮でした。

▼中国のショッピングモールに入っているようなスーパーマーケットはほんとうに広くて、わくわくします。ただ万引き対策か、カルフールの場合は入店前に荷物をロッカーにすべて預けなければならないのがすこし不便。それから、中国(滞在した場所だと特に上海・北京・香港)のスーパー、コンビニエンスストアには日本製の商品や、パッケージに日本語を記した商品も多くて、しかもその日本語が間違っていたりするからとても楽しい。

▼「買いもの」とくれば当然書店もやりたいと思ったのですが、今回はおあずけにしました。宿題にさせてください。

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◇ Transport in China - 中国で移動 文・金沢寿太郎
http://www.biotopejournal.com/space/20121123/000058

▼沿海部からチベット自治州・ラサや新疆ウイグル自治区・ウルムチなどへ向かう列車の中には、丸二日前後かかるものも存在する。青蔵鉄道、俗にいうチベット鉄道は、海抜5072mという鉄道としての世界最高地点を通過する。

▼上海にはリニアモーターカーとして世界唯一の一般営業を行っている「上海トランスラピッド」がある。主として空港アクセスのための路線で、最高時速は400kmを超える。

▼長距離列車乗車時には最低でも30分、しかしできれば1時間は余裕をもって駅に到着するのがよい。国内線の飛行機に搭乗するのと同じぐらいの感覚でいれば間違いはない。常に余裕のない行動をする退屈ロケットは、あわや乗り遅れということが3〜4度あった。

▼夜行列車内では朝・昼・夕と弁当を売りに来るが、中国の物価に照らせばやや高い(20元、260円ほど)。内容は地方によって異なり、たとえば成都発の列車であれば麻婆豆腐が入っていたりする。なおカップ麺はおおむね5元、65円。

▼狭い喫煙所に、時には5人以上もの乗客が集まって煙草を吸っていることもある。喫煙率が高い理由には、煙草が安いこともあるかもしれない。確認できた最安値のものは1パック20本が2元、26円。吸ってみると、公害のような味がする。

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◇ WALK in China - 中国で歩く 文・金沢寿太郎
http://www.biotopejournal.com/space/20121124/000059

▼西安では、日本車に乗っていた中国人男性が車から引きずり出されて殴打され、半身不随になるという痛ましい事件があった。この話はよく知られているようで、西安で警戒すべき理由として何人もの中国人の口から聞かれた。もちろん彼らは眉をひそめ、犯人への怒りを表していた。

▼反日活動の盛り上がりに乗じて、日の丸にバツ印をあしらったデザイン等の反日グッズが多く作られた。完全に資本主義的な商魂のたくましさだ。一般の商店というよりバザーのような場所で、こうしたものは目にすることができるという。一方、日本料理店や日本車においては特に、目立つ位置に中国国旗を掲げている様子が見て取れた。もちろん万が一のための、暴徒に対する免罪符だ。

▼国境の税関等はともかく、地下鉄の荷物検査はまったく真剣なものではない。ほとんど嫌がらせか、もしくは暇つぶしのために検査されるといった状態。荷物が重くて大変だ、というアピールをしながら歩いていると、放免してくれるケースもある。

▼中国人の美徳は、とにかく老人には席を譲るということ。地下鉄やバスの中で老人が座れずにいる場面を見たことがない。しかし日本人には理解しがたいのは、子どもにも席を譲るという点。子どもは社会の宝だ、という考えからきているようだ。

▼成都市では地下鉄1号線が開通しており、2号線は客扱い試運転の段階。成都ではこの2号線に乗って移動する機会があった。試運転とはいってもほとんど通常の地下鉄と変わらない。なお、中国では地下鉄内でも携帯電話が通じる場合が多い。

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◇ FACE in China - 中国の顔 文・スガタカシ
http://www.biotopejournal.com/space/20121125/000060

▼中国のキャラものは、とくに遊具にフォーカス。でも町なかで見かけるTシャツにしてもぬいぐるみやグッズにしても、デザインやカラーリングが独特で、たいへん奥が深そうでした。機会があればもうすこしじっくりやりたい。

▼なにしろ"ふつうのくらし"では犬猫の数が圧倒的。若い人の間では、いまペットを買うのがすこしブームになっているとか。

▼写真にも掲載している成都のナイスガイは手に花束とぬいぐるみを持っていましたが、彼と同様、花束と大きなぬいぐるみを持って歩く男性はたくさん目につきました。女性へのプレゼントだとは思うのですが、日本の感覚からしても中国の住宅事情からしても、ぬいぐるみは少し大きすぎる気がします。複数の男性からぬいぐるみを貰ったりしたら部屋がとても狭くなると思うのですが、どうするのでしょうね。

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■ 旅日記【ロケットの窓際】 007 香港→西安
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 香港から西安までは、およそ三十七時間にも及ぶ鉄道の旅。正確には香港に接する中国側の都市、深センからということになる。

 中国の国内移動といえば夜行列車。タフな旅人は硬座と呼ばれる寝台のないボックス席で中国人たちに混ざり、喋り、食べ、飲み、まどろみながら旅をする。けれども、やや値は張るけれど、普通寝台である硬臥席のほうが僕は好きだ。楽だということはもちろんだけど、のろのろと進み続ける列車の中で横になるという、よく考えてみればなかなか奇妙な行為が、なんとも魅力的なのだ。日中の退屈をなんとか紛らわそうとする人々の様子を眺めるのも楽しい。硬座ではどうも生き延びることに必死という感じで、なかなか余裕をもって周りを眺めることができない。

 いったい何をそんなに運ぶのか、というほど、中国人の荷物は多い。いつでもすし詰めの荷物棚になんとか荷物を押し込む。しばらくすると車掌がやってきて、切符とパスポートを確認し、プラスチック製のカードと取り替えてくれる。これですべきことはお終い。あとは一日半を過ごすだけだ。

 日本にいるときでもそうなのだけど、僕は電車内でちっとも退屈することがない。異国の車内となればなおさらだ。車窓から外を眺めるもよし、人々の様子を観察してもよし、頻繁に往来する物売りを眺めてもよし。中国人にとってはそんなものは珍しくもなんともなくて、中にはさっさと寝台に潜り込んで眠りについてしまう者もいる。さっそくトランプを取り出して、仲間同士でゲームに興じる者もいる。彼らを横目に、窓辺の折り畳み椅子に腰掛けて、僕は外を眺める。

 世界には様々な切り取られ方をした様々な景色があるけれど、その中でも車窓からの景色は独特だ。ひとつ所に留まらず、けれど連続しているひとつらなりの風景。景色の中に流れる時間の速度を、列車の速度が垂直に貫いていく。そのかけ離れ方が、僕を不思議な気分にさせる。何ということもないのどかな田園風景は、たとえばこの一時間前も、そして一時間後も、ひょっとすると一年前や一年後も、ほとんど変わらぬ姿でここにあったに違いない。けれども僕が目にしたのは今、この瞬間だけだ。変わり映えのしない、途方もなく長い時間の中に、もしかするとごく特別な一瞬があったのかもしれず、またこれからあるのかもしれない。でも僕がそれを目にすることは永遠にない。時の流れと同じように、列車の速度を僕がコントロールすることはできない。

 今までに見ることのなかった、これから触れることができない、でも世界のどこかで確かに起こることがらのことを僕は思う。あらゆる可能性や不可能性のほとんどを僕らは打ち捨てて、ただひとつずつを選び取り、それを繋いで生きている。やがて誰かと重なることを、もしかすると願いながら。たとえば僕は、いつか好きだった女性のことを思う。たとえば僕は、死んでしまった友のことを思う。

 僕は流れゆく景色の中に、いつしか必死に人影を探すようになる。見捨てられた廃屋、一日に一度トラクターが往復するかどうかといった、荒れたあぜ道。名もない農夫の姿を見つけて、なんだかほっとしたような気持ちになる。



 そんなとりとめのない考えを容赦なく打ち壊していくのが、物売りの叫び声だ。細長い通路に合わせた細長いカートには、飲み物やスナックやカップ麺、果物やナッツ類などが満載されている。でも販売員の様子に「お客様に買っていただこう」などという気持ちはこれっぽっちも感じられない。繰り返される独特の節回しがどんな意味の中国語なのかは正確にはわからないけれど、その響きに日本語を当てはめるなら、たぶんこんな感じになる。「買うやついるか! いるんなら出て来い!」

 実際、「買うやつ」はけっこういる。彼らはのろくさ寝台から這い出してきて、果物やら真空パックされた味付け卵やらを買う。札と商品がぶっきらぼうに交換され、カートはまた進んでいく。買うやついるか!



 列車は速度の上げ下げを繰り返す。動いているのかどうかわからないほどゆっくりと進むこともある。停車していたはずなのに、いつの間にか動き始めていることもある。とても不規則だ。

 でもその反面、車内の生活はとても規則的だ。毎食の弁当売りはほとんど決まった時間にやってくるし、夜の十時になれば問答無用でばしゃりと消灯されてしまう。読書灯があればいいのだけど、ない場合は、もう寝てしまうほかにすべきことがない。車両の端の喫煙所に行ってみても、もちろん煙草を吸うぐらいしかすることがない。窓の外の暗闇は完璧すぎて、窓はほとんど鏡のようになっている。そこに映っている人物は、疲れを溜め込んだ顔つきで、ばらばらに無精ひげを生やし、なにか恨みがましいような表情をしている。そんなものを眺めていたら、いっそう眠れなくなってしまいそうだ。

 諦めて寝台に戻り、体を横たえる。上半身だけを起こすのもままならないような、狭い空間。体をそこに合わせる。がたごとという列車の揺れ方に、うまく呼吸を合わせてしまえば、やがて眠りが訪れる。そんな眠りの中では夢を見ることもない。



 次の夜になって、ようやく〈シーアン〉という単語が乗客たちからしばしば聞かれるようになる。夜でもそれとはっきりとわかる、城壁の街。かつての都は長安と呼ばれ、その城壁は西安と名前の変わった現在に至るまで残る。中国の地図を開き、どれほど北へやってきたのかを確かめながら、僕は荷物から暖かい上着を引っ張り出す。

〈続〉

文・金沢寿太郎

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■ アフタートーク【ロケット逆噴射】 007
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スガ
始めましょうか。

寿太郎
臭いですね。

スガ
そうですね。体臭というのがこれほどダメージをうけるものとは思いませんでした。

寿太郎
ドミに宿泊するうえでは、まあある程度我慢しなきゃいけないけど、ちょっとこれは強烈ですね。
こいつはくせぇッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ――――ッ!!

スガ
ゲロイカってのゲロ以下だったのか。ゲロのイカだとばかり。

寿太郎
どんなイカだよ。
はい、というわけでアフタートーク。

スガ
今週ははじめての「人と空間」。なかなかハードでしたけれども、とりあえず1日目。「食べる」ですね。

寿太郎
中国の食については、ほんとうに語るべきことがたくさんある。

スガ
そうだねえ。まず調味料の「麻」だけども。花椒ね。あれ、人によって耐性がぜんぜん違うんだな、と。

寿太郎
うん、ダメな人は全然ダメ。スガくんはわりと大丈夫な人ですね。

スガ
そう、辛いのはもともと好きだけど、それでも意外なほどに大丈夫なタイプの辛さ。一度もコレはダメだ、とは思うことはなかった。火鍋はさすがに汗だくだったけどね。

寿太郎
赤い感じの辛さとはまた全然質が違うんですよね。

スガ
そうそう。ぼくは人と比べると「辣」よりも「麻」に耐性があるみたいで、四川の料理は正直、もっと麻の効いたものを食べたかったよ。

寿太郎
俺は「麻」もある程度までは大丈夫だったけど、さすがにあそこまでガンガン効いてるとたまにキツイことはあったかな。「辣」はけっこう大丈夫なんだ。常に顔が汗だくになる体質だから苦手と思われがちだけど、かなり辛いのまで平気

スガ
あーそうね。寿太郎くんは汗はすごくかくけど、辣はそれなりに食べられる。でも、一緒に御飯を食べに行ったりしていた日本人の人たち見ると、ほんとに。
麻はちょっとでもダメ、ていう人が結構いて驚いた。

寿太郎
うん、あれは人を選ぶ感じだと思う。俺も積極的に欲しいとは思わないかな。

スガ
そうかー。

寿太郎
四川はべつに。辛くなくても回鍋肉とか、おいしい料理たくさんあるからね。

スガ
まあたしかに。四川料理は辛い、ていうイメージだったからぼくはすこし物足りなかったけど。でも全般的においしいものはいくらでもあるからね。

寿太郎
担々麺! 担々麺!

スガ
あーでたね担々麺! あれもべつにそこまで辛くなかった。日本のとはだいぶ違うよね。

寿太郎
そうそう。まず汁がないのがふつう。混ぜ麺みたいな感じになる。あと、日本のやつはあれは胡麻が効いてるのかな。あれも無い。

スガ
そうね。混ぜ麺というのは日本にあんまりないけど、ぶっかけそばみたいなイメージかな。

寿太郎
まあそうなのかな。というか、「油そば」というのがあるでしょう。あれに近いと思う。

スガ
そうね麺が細い油そば。で、べつに赤くなくて思いの外マイルドで。まあうまかったね。

寿太郎
成都のあそこの店のはなんだかやみつきになったね。ああ、懐かしい。

スガ
Sim'sという宿のそば。7日目の「顔」では女将さんも登場しているのでぜひ行ってみてください。で、あと臭豆腐。結局機会を逃したけど、あれ食べてみたかったなぁと。

寿太郎
あれは俺は憎んでさえいたね。街歩いてると不意打ちみたいに香りが漂ってくる。

スガ
たしかに凄いニオイではあったけど。

寿太郎
西安ではなんだか気分も低調だったし、あれを試してみようというアグレッシブな気分にはなれなかった。まあでも、西洋人から見た納豆とかも同じことなのかもね。

スガ
ああ低調だったねw
あとケンタッキーだけど。あれ、今回色々調べていたら、ここ数年で、戦略的に地方都市にものすごく出店攻勢をかけているという話があって。逆にマクドナルドは確実にいけるような大都市にしか出していなくて、そうこうしているうちに中国ではかなりケンタッキーが優位になっているっていう話。えーと、それから…ドリトスじゃなくてなんだっけ。

寿太郎
Dico'sという中国発のファストフードも地方中心にありましたね。ほとんどケンタッキーみたいなもんだったけど。

スガ
そうディコスね。ほとんどメニューがケンタッキーと同じ。あのふたつのチェーンが競うあうかたちで、結果的にチキン食べる文化を身近なものにしてるんじゃないかなと。

寿太郎
チキンは宗教にかかわらず誰でも食べられる、ってのが大きいという話はあったね。確かに世界規模でそう考えると、ケンタッキーに対してマクドナルドはやや分が悪い。
中国はまあ、もともと鶏肉食べる文化があるし、わりと受け入れやすかったのかな。

スガ
そもそもああいうファーストフードは、食文化を身近にするところから始めなきゃいけないからね。でもマクドナルドも地域によって肉変えてるんだよね。

寿太郎
そうだね。国によっては、しっかりベジタリアンメニューというのを作ってる。
少なくとも漢民族相手には、する必要はないだろうね。日本人以上に何でも食べるからね。

スガ
たしかに。カエルも食べるからね。

寿太郎
カエルね。鶏肉みたいだった。「田鶏」(ティエンチー)でカエル。
これから西のムスリム地域に出店していくとなると、また考えるのかもしれない。

スガ
二日目は「住まい」ね。
今回の「空間と人」は久しぶりにぼくも記事を書いていて、その一つ目でしたけれども。
いちばん力入れて書きたいものだったけど、正直なところ力不足を感じたなぁ。準備不足というかね。

寿太郎
住まいも書くべきところは山ほどあるから、まあ難しいとこですよね。
我々はわりとモダンなタイプの家にはお邪魔したんだけど、田舎のほうの民家みたいなところは抜けてるってのもありますね。
都市と都市の間をわりと点で移動してしまったから。

スガ
それもあるね。列車の車窓を眺めていると、山間にほとんど崩れかけた家がポツン。みたいなことがけっこうあって。あれは一体どうなっていたのかという。
一方で都市部ではいま、一軒家の建設が禁じられているというからスゴい。

寿太郎
みたいですね。確かに建設中とか新築の一軒家みたいなものは見なかった。北京の夫婦以外には。

スガ
北京の夫婦はリノベーション物件だからね。文化的な遺産でもあるから大丈夫だけど、

寿太郎
あの地区は行政に保護された特別区みたいですからね。

スガ
そう、ああいう昔からあるのを除けば、都市部だと新しく一軒家を立てるのはムリだという。なんかすごい話。

寿太郎
まあ確かに、一軒家ガンガン建てちゃったら、あれだけ人が多いと土地が足りなくなっちゃうよね。
しかも今バブリーだから、経済的に一軒家を建てられる状況にある人はけっこういるのかもしれない。行政が制限しないと、ということになるのかな。

スガ
そうそう、だからね。逆に稼いで、お金持ちになった人はどうするんだろう、というのも気になった。マンションじゃ満足できない人もいるんじゃないかと。

寿太郎
高級マンションに住むんじゃないの。上海にすごいのがあるらしいですよ。色々調べているときにロケットニュースの記事を見つけたんだけど、これは凄かった。http://rocketnews24.com/2011/09/22/132880/

スガ
んん? コレ売り出してるのか! しかも完売。すごいなあ。

寿太郎
バブリーっすなあ。

スガ
ぼくらが取材したのは学生とかまだ若い人が多かったから、1人じゃ家賃が払えなくてルームシェアが一般的、ていう話だったけど、まるで世界が違うね。

寿太郎
しかも僕らが取材したのはわりと中流の人、中の上ぐらいの感じだったからね。それで上流とそれだけの格差。じっさい日本なんか目じゃないぐらいの格差社会かもしれない。

スガ
うん。中国にはまた来る機会もありそうだから、今度は違う階層の人にも会ってみたいね。上下問わず。

寿太郎
そうですね。興味深いところ。次、「遊ぶ」ですね。この日の写真は俺、本当に好きです。トップのやつは見れば見るほどおもしろいし、おばちゃんたちのダンスもいいね。

スガ
あんまり意識していなかったけど、そうだねぇ。まず遊んでる人は生き生きしてる。

寿太郎
そう。顔は笑顔だったりマジだったりいろいろなんだけど、とにかく底知れないパワーみたいなのがある。

スガ
なんというか、遊びにたいする決然とした意思を感じたね。

寿太郎
でも我々からしたらそう見えるんだけど、あんまり「さあ遊ぶぞ!」と意識してやってない感じはした。

スガ
それはそうだね。ぼくらからすると「えっこんなところで」みたいに思うんだけど。普通に人が通る公道ですごい勢いで腕立て伏せしてたりね。

寿太郎
うん。なんだか異常な光景のように見えても、本人は自然体でやってるんだ。あれがすごい。

スガ
身体を動かすことについての意識というか常識が、すこし日本とは違う気もしたな。

寿太郎
そうだね。健康についてのこだわりは、けっこうものすごい。

スガ
日本にも健康ブームとかランニングのブームとかあるじゃない。でもなんかそれとは違う。もっと体に染み付いたような健康志向。

寿太郎
別にブームという感じじゃなくて、日常の一部としてふつうにやってますよね。

スガ
日本もだいぶ定着した感じもあるけど、それでもまだちょっと、人目をはばかるところがあるけどさ、そういうのが一切ないんだよね。
当然、というかんじで。ところでアブナイ床屋、なんてありましたっけ。

寿太郎
なんだかそういうのに妙に詳しい旅行者の人がいて、けっこう言ってましたよ。中国在住の日本人の人も。

スガ
成都やカシュガルで夜道歩いてたときにも、それらしいのはいくつか見た。

寿太郎
あーありましたね。どんなサービスなのかわからない感じの。

スガ
昼間は普通に切ってくれるんだろうか。

寿太郎
よくわからないけど、そうなんでしょう。普通に床屋やってるとこも目撃したし。

スガ
カモフラージュぶりがすごい。

寿太郎
香港にも、何の看板もなくてただ入り口がピンクになってる、みたいないかにも怪しいビルがけっこうあった。裏通りに。

スガ
香港は泊まってた重慶大厦からしてアブナイ匂いがプンプンしたからね。なにがおこなわれてても全く不思議じゃない。

寿太郎
そうそう。で、あのへんの安宿で、旅行者風にも見えないけど旅行鞄持った中国人の女の子がけっこう泊まってんの。あれ中国本土から香港に出稼ぎに来た女の子なのかなあ、などと思ったりした。

スガ
あ、エレベーターで一緒になったような子たちね。けっこうきれいではあるんだよね。んーむ。

寿太郎
はい。で、翌日は「買い物」か。とにかく、パクリ、ニセモノ、凄いですよね。

スガ
まあ噂に違わず、というかんじでね。どこだったかで、ふつうに中国製のiPhoneもどきを使っている人を見かけた時はちょっと感動したよ。不思議に思うのは、中国に住んでる人は偽物とかを買う時どういう意識で買うんだろう、というのがあって。
もちろんお金を持っている人は本物を買うんだけど、

寿太郎
はいはい

スガ
お金をあまり持っていない人は、それを偽物だと知らずに買っているのか、それとも偽物だとわかってても、それがカッコ悪いという意識がないのか、たとえばむしろ、一種の洒落だったりするのか、とか。

寿太郎
よくわかんないですね。本物と偽物の境目がないような人もいるのかもしれない。

スガ
あまりに偽物持っている人多いからね。不思議で。「本物と偽物の境目がないような人」ってなんかスゴいw

寿太郎
ブランドにおいて本物こそが大事、ってのはやっぱり資本主義的な考え方じゃないですか。

スガ
そうそう、それは思う。だから偽物を堂々と着ることっていうのはむしろかっこいいような気もしてくるよ。

寿太郎
そういうのがまだ染みついてないから、なんで、これスマホじゃん、スマホとして本物じゃん、っていう感覚なのかも。

スガ
べつに本物だろうと偽物だろうと関係なくね、ていうね。

寿太郎
お母さんが、スーファミだろうがプレステだろうが全部「ファミコン」って言うでしょう。それと同じようなものなんじゃないの。ゲームはゲーム。

スガ
なるほどw 次の日は「移動」ね。

寿太郎
移動といっても、ほとんど鉄道の話に終始してしまったけれど。

スガ
うん。この回で悔やまれるのが、いちばん壮絶な時の硬座の写真を載せられなかったこと。壮絶すぎて写真一枚も撮れなかったという。

寿太郎
そう。もうなんか状況を相対化してる場合じゃないの。生き延びなくてはならない。

スガ
半径1メートル以内に5人くらいの人に囲まれて、完全に呑まれてたからね。いやでも、それでもシャッターを切るべきだったと思うよ。

寿太郎
ただそこにいるだけで注目浴びてしまうのに、そこでカメラなんか取り出そうものならどうなってしまうことやら、っていうのはあったね。
間違いなく収拾つかなくなる。

スガ
状況が凄すぎて、ちょっと戦意を喪失してしまったね。次こういうことがあったら、めげずに頑張りたいと思います。

寿太郎
はい。そういえば、車内に限らずだけど、中国のトイレは基本的に汚い。

スガ
うん基本汚い。

寿太郎
んで、中国式というのはまあ和式に近い部分があるんだけど、問題が方向で。なんか逆なんですよ。感覚的に。

スガ
ぼくはしょっちゅう逆にしてたよ。
狭くて汚いトイレのなかで、身体を一回転しなきゃいけないから。

寿太郎
逆にすると全然流れないじゃないすか。

スガ
そう。流れませんw

寿太郎
あれ注意しないとね、ほんとに。いろんなとこに罠がある。

スガ
次の日は「歩く」。この日は寿太郎くん、ずいぶん気を使っていたよね。

寿太郎
反日活動に関する記事は、まあ時期的にも避けて通れないところなんだけど、でもあくまでフラットに書きたいというのがあったからねえ。
むずかしかったです。ま、ごく個人的な体験を、一人称的に書いているだけなんだけど。

スガ
そうね。まあでも、反日活動について思うところは、ぼくもそう変わりはないかな。興味としては、デモに参加した人とかと話をしてみたかったけど。
まぁでもそうしてたらラーメンかけられてたかもしれないね。

寿太郎
なんかそういうゆるキャラを栃木かどっかで見たことがある気がする。

スガ
いましたね。思ったのは反日活動、中国にとってマクロに見れば「防衛」で、参加している若者的にはひとつの「ファッション」なんだな、という。Tシャツの話は象徴的だけれども。

寿太郎
ファッショ的な、ファッション的な。

スガ
そう。ファッショはだいたいファッションから入るからね。

寿太郎
集団になると「ン」が抜けるということですかね。

スガ
ファッションだからと言って軽く見ないほうがいいわけだけど。

寿太郎
どこにも日本が登場しないというのがおもしろい。もうなんだか、中国国内で完結するんですよね。あんまり日本のほう向いてない。

スガ
そうだね。色んなひずみが仮想敵としての日本のイメージを作っている感じ。だからその「日本」は実態がないもの。

寿太郎
日本じゃなくてもどこでもいい気はしますね。たまたま日本が手っ取り早かったし、きっかけらしきものもあった、というだけで。

スガ
実際、西安なんかではしょっちゅういろんな国に反対するデモがある、っていう話だったよね。反米、半仏、あとなんだったか忘れてしまったけど。

寿太郎
なんか色々あるみたいすね。で、最終日が、「顔」。

スガ
うん。

寿太郎
ごちゃごちゃ言うより写真見てくださいっていう感じだけど。

スガ
いやひとつあるのはキャラものね。あれはもう、どうしてああいうことになるんだろうなぁと。興味が尽きないですよ。

寿太郎
なんかもう全体的におかしすぎて、突っ込みようもないね。でもまあ、パクるのはいいとしても、ダメだけどさ、ミッ●ーとかミ●ーに乗っちゃダメでしょ。それ乗り物じゃないから!

スガ
いやほかのキャラもことごとく乗り物じゃないと思うけど。

寿太郎
羊の奴とかもヤバすぎる。目がイッてるし、眉毛があるせいで不気味さに拍車がかかってる。

スガ
ぼくはあの色合いとかペイントとかがスゴいと思ってて。

寿太郎
ほう。

スガ
なんかみてると、一つ一つ違うじゃない。なんかスプレー缶のラッカーで色つけたような、そういうかんじなんだよね。
どういう製造工程なのか、というのがすごい気になる。大量生産じゃないのかな。

寿太郎
まあふつうに手作業でやってんのかね。

スガ
だとしたらまああの色合いもうなずける。退屈だから赤入れちゃえ、ピンクもいいぞ、って。

寿太郎
足し算の文化ね。

スガ
だって、ミッ●ーのほおに朱が入ってるんだよ。キ●ィにいたってはなぜか足の裏の真ん中だけがピンクだし。スゴいぶっ飛んでるよ。

寿太郎
足しまくって原形とどめないようにして、パクリじゃないですって主張しようという魂胆なのかもしれない。もはやなにが目的なのかが全然わからない。

スガ
あの遊具を作る職人の人とかいるならぜひ取材してみたいな。

寿太郎
職人といえるのかどうなのか。

スガ
それはわからないけどw
というわけで、これで「空間と人」1週間おしまい。

寿太郎
はい。けっこうボリュームあって大変でしたね。

スガ
いやハードでしたよ。深夜バスで移動したり取材したりってのもあったけど、ここ数日はこれしかやってないw
でもまだ全然ぬるい気もしてて。懲りないなぁ。

寿太郎
早くトルコから脱出したいです。

スガ
そうしましょう。また来週。


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編集後記:退屈なしめくくり

前回のアフタートークで口走ったように、記事公開前日までは頭の中にあったのは構想だけ。全然かたちをなしていなかった「空間と人」の中国編ですが、メルマガ刊行が遅れつつも、どうにかこうにかひとまず終了。いかがだったでしょうか。
「空間と人」は年内にもう一度予定しているので、今回の二の舞にならないように、今からせっせと仕込みます…。

さて今日からはいつもの「人とくらし」に戻るわけですが、今週はまた、かなり盛り沢山な週になりそう。どうぞご期待ください。

ということで、来週こそはブルガリアにいることを祈りつつ、ぼくはいま、凶悪な睡魔に襲われています。それではみなさま、おやすみなさい!

スガタカシ

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