スガ
今週は空間と人、トルコだったわけですけれども。
寿太郎
はい
スガ
あ、ちょっとまって。その前にきみの旅行記、イスタンブルそんなに嫌だったんだ。
寿太郎
ん、イスタンブルの好きなところも書きましたよ。
ただウンザリポイントを強調してみたってだけのこと。嫌というか、やっぱりバックパッカー的な旅から出発してるので、俺の場合はああいうとこはけっこう居心地よくない感じがします。ひたすらツーリスティックだし。
スガ
なるほどねぇ。そのへんはやっぱり感じ方ぜんぜん違うんだなぁ、とあらためて思いましたよ。
「ツーリスティック」ってきみしょっちゅう言ってたもんね。ぼくはイスタンブルふつうに気に入ったもの。
寿太郎
イスタンブルというより、スルタンアフメット地区のあのあたりね。裏通りの人が普通に住んでるあたりとか、マーケットのあたりとか、そういうとこはとても好きですよ。
スガ
あー、あの客引きが多い広場。まぁあそこはね。
寿太郎
実質生活の中心があのあたりになってしまってたからね。
スガ
そりゃ客引きだらけで居心地がいいわけない。なんだ、そういうことか。
寿太郎
なんというのかな、街がつるつるピカピカしていて、外向きだけで、奥行きがないの。においがしない。再帰的にイスタンブル的にしようとてるけど、その実あのあたりにはイスタンブルがないんだ。極端な話。
スガ
スペクタクル的なイスタンブルだからね。
寿太郎
京都で言うと、修学旅行生が土産物買う店ばっかり並んでる新京極というアーケード街があるけれど、あんなところ歴史もへったくれもないからね。地元の人もよう行かん。というのと似てる感じ。
スガ
ほー
寿太郎
観光地にありがちな木刀ってあるでしょう。
箱根だとか、どこでもなぜか木刀売ってんの。あれいったいどういう意味なのかわけわかんないんだけど、スルタンアフメットのあのへんは木刀売っててもおかしくない感じしましたw
スガ
寿太郎くんはあそこの広場のところにうんざりしてたと。いやそれならまぁわかります。
そういううんざりポイントには敏感だしね寿太郎くん。
寿太郎
きみが鈍感なんじゃないですかね。
スガ
そう、ぼくはああいうとこはふーんで済ませちゃうから。鈍感なんですきっと。
寿太郎
うらやましいです 皮肉ではなく。
スガ
そうかもねぇ。いちいちうんざりできる寿太郎くんは律儀だなぁと思いますよ。
ちょっと誤読だったかもしれないけど、今回の旅日記は一読して、イスタンブルそんなに嫌だったのか! みたいな印象だったからつっこんでみました。
寿太郎
うん、まあ街の魅力とかそういうのはウェブとか他のとこで散々やってるから、旅行記はハプニングだとかトラブルとかウンザリ系に寄る感じありますね。そっちのほうがおもしろいかなと思うのだけど、どうでしょう。(独り言)
スガ
あ、それはそれでいいんだと思うよ。ウンザリ系は寿太郎くんの真骨頂だからね。思う存分旅行記で!
寿太郎
他人事のように言いやがって。そんなんでエディターとか名乗っていいんでしょうかねえ。
スガ
いっぺん他人事のつもりにしないと編集なんて出来ませんからね、と。
まぁ今回みたいに、感じ方ちがうなぁ、という気がした時はツッコミを入れていきますよ。
寿太郎
そういう意味ではないのだが、まあいいです。そんなわけで、今回は旅行記はイスタンブルに入ったところ、で「空間と人」がトルコ全般ですね。
トルコはかなり長くいたような気がする。3人も取材しましたし。
スガ
まるまる1ヶ月いたからね。
カッパドキア→パムッカレのツアーにも参加してみたし、その前後イスタンブルであれこれしてたらあっという間に一ヶ月経ってた。
寿太郎
自然の景観という意味ではかなり凄いものを見ましたね。ちょっとあんなとこないですよ、カッパドキアもパムッカレも。
スガ
いやほんと、トルコで一気に世界遺産3箇所巡ってるしね。「ふつうのくらし」とかうたってたけど、自然ごめんなさい。脱帽です。みたいな感じ。
寿太郎
ふうむ。ごめんなさいというのはよくわからないけど、まあ畏敬の念を十分感じさせられたね。
まあでも、そういうとこにも普通に暮らしてる人はいるというお話。
スガ
いやぼく、どうってことないだろうと思ってたんですよ。すごい景観とか見ても。なんというかさ、Webで「見るまでは死ねない100の絶景」みたいなホットエントリーとか目にするじゃない。べつに見ないで死んでもいいなぁみたいな
寿太郎
きみはあまのじゃくだからね、そういうの見るとすぐ無意識的にアンチになるんだ。べつに景色に罪はないというのに。
スガ
いやアンチとかでもないけどさ。でももう写真でもそうだし、テレビでも、そういう景色ってけっこう見てるわけじゃない。
寿太郎
百聞は一見にしかず、と申します
これが……「世界(ザ・ワールド)」だ……
スガ
・・・。
いやでもさ、たとえば最近もWebで知ったんだけど、Google ストリートビューの仕組み使って、徒歩でしか行けないの景色を場所を360度パノラマでみれるサービスができてたりとか。(サービス名 >TRAIL ME UP)
寿太郎
へえ。
スガ
そういう話もあるし、百聞は一見にしかず、とは言っても、着実に世界が縮んでる感じはあって、生の体験の求心力って失われていると思うんだよね。
ぼくはあまのじゃくかどうかは別にしてw、たぶん「べつに世界とか家でみれるし」みたいなのってのが今想定すべき感覚じゃないかと。
寿太郎
輸送インフラにせよ、情報量にせよ、縮んでるからこそ手が届くところにあって、実際に行ってみたいという人が増えることだってあるんじゃないのかね。
だいたいWebでそんなもの観たって、それは「写真」じゃないでしょう。ただの「画像」ですよ。
スガ
いやなんつうか「写真」そのものの意味も変わりつつあるんだろうなというのがあって。
生で自分の目でみたものじゃなきゃ「写真」じゃない、ていうことはなくなりつつある、というかそれは既に昔からそうなんだけど、スマートフォンで撮影も加工もできて、そのままネットにアップしたりダウンロードできるようになって。もう「画像」と「写真」を区別しようとするのはぼくも含めたモノ好きなやつだけで、無意味になってるなぁとか思うわけですよ。
とはいっても、まぁそういうすごい景観とか実際に目にしてみると、僕にできるのはせいぜい写真を撮ることでしかなかったりするわけですけれどもね。
寿太郎
まあその分析はまったくその通りだと思う。それにわざわざ反発してるっていうだけで。僕にできるのもせいぜい文章書くことだけです。
スガ
ふうむ。しんみり。
寿太郎
ま、wikipediaだとか「ブログ村世界一周カテゴリ」検索したら載ってるようなこと書いても意味ないんだよ、という気ではやってますけどね。でもこれはなかなか、難しいですね。
スガ
そういうことなんですよ。
寿太郎
これは「検索したらどんな名所の画像でも出てくる」ってのと同じ話でしょうね。
スガ
そうそう、綺麗な写真とかWeb上にあふれちゃってるもんね。
ぼくが撮るまでもない。みんなが撮ってくれてる、というw
寿太郎
だから今世界一周なんかやっても基本的には自己満足にすぎなくて、それ以上の何か発信すべき価値あるものがないと、こんなサイトやってても意味がないと。
スガ
おおw や、まぁだからどうにかニッチなところというかオリジナルなものをつくろうとして、Biotope Journalとか言ってるわけですけどね。
寿太郎
そういうわけですね。
スガ
また来週。