スガ
ここはなんというか…、のどかなとこだね。
寿太郎
ね。イスラエルなんてニュースで聞くといっつも不穏な話題だけれど、エルサレムは全然そんなこともなく。太陽もまぶしい。のどかです。
スガ
ここは南京虫はでなさそうだし、めしは食べ放題だし、いいことです。じゃがいも率がちょっと高すぎるけど。建物とかサービスとか、いや、サービスって言うのは正しくなさそうだけど、まぁ全体的にゆるい感じがまた…なんとも言えない。
寿太郎
宿ではないからね。じいさんの家に泊めてもらって、こちらはお礼としてお金を寄付する形。まあ、ここの話ものちほど出てくると思いますが、とにかく面白そうな街ですね、エルサレム。
スガ
もっと先進国ぽい感じなんだと思ってたら意外と中東感満載で。で、とりあえず今週はイスタンブルのギュル。
寿太郎
ギュル、とは「バラの花」という意味だそうでございますが。
スガ
あっ…とそうそう、イスタンブルにはカメラ直しに行ったんだけど、どうにか直してもらってぶじ受け取れました。
寿太郎
よかったですね。カメラトラブルはなんだか、断続的に年明けからずっと続いてた感があったので。もう起こらないことを願うばかり。
スガ
そうだね。イスタンブルに直しに行ったのに結局そこでは直せないとかで、フランスに送ってヨルダンで受け取って。関税ガッポリ持っていかれるし。海外でカメラ壊れるとこんなに大変なのか、というのを痛感しましたよ今回。
で、バラね。
寿太郎
いや、バラはまあ「ああ、そういう意味なんだ」という以上の何もないけれど。
スガ
まぁ名前だからねw でもギュルのトゲがあって、華やかな感じ、わりと似合ってるかもしれないよ。
寿太郎
確かに。話し方も鋭くて、ギュルッと突っ込んでくるからね。You know?
スガ
ギュルッとツッコミ入れてくる時と、なんか妙に甘ったるいこともあるよね。ユーノゥ? って。
寿太郎
気だるいんだな、どっちかというと。あとなんかすぐKill youとかいって殺してくるね。
スガ
まぁ一言で言うとビッチ感がすごいというか。インタビューしてみると割とまともなこと言うのに。
寿太郎
イギリスのイケイケの女性ってあんな感じのこと多いと思うけど、なるほどイギリスに暮らしてたわけだ、という。でも確かに、しっかり話をしてみるととても知的な感じだよね。話し方はそれほどでもないけど、言ってることはけっこう知的でまとも。
スガ
でもなぁ、全体的には知的なんだけど、見てると彼女自身のバランスの取り方なのか正直よくわからないところがあって。たとえば、彼女はインタビューの翌日面接に行くみたいだったけど、フォーマルな服きて働いていたら、また嫌になっちゃうんじゃないか、とか。
寿太郎
そうそう、というかバランスとるの苦手そう。けっこう人生大変そう。ゴリゴリ進むことでバランス取ってるみたいな、自転車みたいな。そんな印象ありますね。
スガ
あー自転車。立ち止まるとバランス取れなくなって倒れちゃう的なね。
彼女が音楽を志すのをやめた話とかも、なんか大事なことをわりと軽率に決めていきそうというか、それでよかったのか? みたいな。まぁ実際はもっといろいろあったのかもしれないけど。
寿太郎
でもね、結構音楽について挫折した話をするときの様子なんか見てると、やっぱりかなり入れ込んで頑張った上での挫折という感じがしましたよ。ただ、あくまでそれを軽薄な感じで語ると。本文にも書いたけど、それが彼女のスタイルであり、前を向いていくために必要なことなんじゃないかね。「昔のことよ」といって笑ってたけど、あんな風に笑えるまでにけっこう時間がかかったんじゃないかなあ。
スガ
うん、確かにそんな気がする。でもまぁああいう風に、あえて軽い感じに語ると。
彼女の軽薄なキャラクターも、そういう妄想を持って眺めると好感がもてる…というかぼくは、彼女の軽薄さ、けっこう好きかもしれないな。
まさかイスタンブールにああいう人がいるとは思わなかったけど。
寿太郎
軽薄さは軽やかさにつながりますからね。予防接種のための病院の予約を頼んだときとか、そういうやや複雑で真面目な話をした場合だとか、理解も行動も素早かったしちゃんと親切だったね。そういうタイプ。やや絡みがめんどくさい場合もあるけどw、僕も彼女のキャラクターは好きです。
スガ
まぁもしかするとギュルはいないかもしれないけど、イスタンブルで安宿をお探しの方には、レッドリバー・ホステル、けっこうオススメです。便利な場所にあるし、安いし、もしかしたら半分スタッフ化した日本人の方もいるかもしれない。フェブジもやや絡みがめんどくさいこともあるけど、基本的にはいい人です。
寿太郎
はい、脚注にも書いたとおり。Hostelbookersとかからだと割引もあったりすると思うので、イスタンブルにご旅行予定の貧乏旅行者の皆さまは、ぜひ。というわけで、今週のおたよりコーナー。
スガ
はい
寿太郎
埼玉県在住の「家に帰るまでが飲み会」様から、エアメールをいただきました。「私はビールが大好きですが、最近は子育てが忙しくてあまり飲めません。お二人が世界じゅうでいろんなお酒を飲んでいるかと思うと、羨ましくてなりません。ふだん、どんなお酒を飲んでいるんですか?」とのことです。
スガ
ああ、女の人は妊娠中とか授乳期間中とか、飲めないと言うよね。ぼくの親しくして頂いてる方にも、嫁がいちばんの飲み友達だったのに飲めなくなってつらい…と言っている方がいました。
寿太郎
大変みたいですね、なかなか。誰に聞いたんだったかな、授乳期間中に辛抱たまらず飲んでしまい、そのあと酒抜きのために搾り出す作業をしなければならなかったとかいう恐ろしい話を耳にしたこともありました。お母さんは大変だ。
スガ
で、ええと、お酒と言えばまず今週のギュルね。彼女はラクが好きと言っていたけど、数日前、自分のアイコンをラクの画像にしていて、あ、そんなに好きなのと。
寿太郎
我々の記事を受けてのことだったりしてね。ま、でもラクはけっこう美味しかった。僕は苦手なお酒というものはないのだけど、スピリッツとしてはわりと飲みやすい部類じゃないかなと思いました。ちょっと臭みはあるけれどね。
スガ
個人的にはラク、かなり気に入りました。ぼくはカンパリが好きなんだけど、ラクに入っているアニスというのは、あの香草っぽい香りに似てて。下手な焼酎、ウォッカ、ジンあたりよりは好きな気がしたな。ま、一杯しか飲んでないんだけどね。
寿太郎
そう、まず強いお酒が大丈夫かどうか、それにあの香りが大丈夫かどうかだね。どっちもクリアできる人ならけっこう楽しめるお酒。透明なとこに水を入れると白くなったりね、そこらへんも楽しい。これはたぶん、ルーツとしてはギリシャのウーゾだとか、バルカン半島のラキヤだとかと同じものですね。
スガ
ラキヤはセルビアとかブルガリアでも飲んだけど、あっちでは水で割ったり、というのは聞かなかったよね。水で割る分、トルコのラクはちょっと飲みやすくなる、というのもよかったのかもしれない。
寿太郎
ラクはトルコの魚料理なんかとよく合いそうだったな。そのへんをお供に飲んでみたかった気もします。……で、ほかの国でなんか印象に残ったお酒ありますか。
スガ
んー、まぁあとは圧倒的に…ビールかなぁ。
マドリードではやたらとジントニックが流行っている、みたいな話があったけど、あれは日本のハイボールブームみたいなものかな。
寿太郎
チェコのビールは素晴らしかった。ドイツもよかったね。ヨーロッパは全般的に、やっぱりビールが安くて美味しかった。
マドリードのジントニックは、そんなとこかもしれないね。飲んだけど、なんというか、べつにそれほど飛びぬけて美味しいことはなかった。いや、ふつうに美味しくはあったけどね。
スガ
うん、そう。まぁマドリードのジントニックは、まぁ…ふつうw
東欧はビール天国だったけど、どこが美味かったかな。安さだと一番はやっぱりブルガリアなのか。
寿太郎
安さだとそうなりますね。たぶんあれは、中国より安かったんじゃないか。
スガ
中国といえば、逆に今のところビールの味が一番微妙だったのは中国。
青島ビールはうまかったけど、ほかはわりと軒並み微妙だった気が…。
寿太郎
そうだね。だいたい冷えてない場合が多いし。ただしっかり冷えた青島ビールは、やっぱりいいものでした。
スガ
日本だと青島ビールって一種類しか見ないけど、青島ビールにもいろいろあるんだよね。
寿太郎
日本でも最近は何種類か手に入るみたいだけどね。中国では主要なのは5種類みたい。また訪れたときに意識して飲み比べてみたいものです。
あと個人的にいちばん美味しかったのは、ちょうど別行動してたときでアレなんだけど、チェコのチェスキー・クルムロフで飲んだご当地ビールの「エッゲンベルク・ビール」というやつかもしれない。
スガ
ほお。チェコとかドイツとか、ふつうに街単位でビールあるからね。
寿太郎
チェスキー・クルムロフではビール工場にレストランが併設されてるんだけど、そこでできたてのやつを飲んだのが忘れられない。黒もラガーもよかった。世界一美しい街だそうだけど、ビールの味も喉ごしも美しかったです。
スガ
ははぁー、それはよろしいこって。
ていうかこれから先アフリカとかは酒不毛の地な気がするんですけども。
モロッコなんてモロッコ・ウィスキーとか言うから何かと思えばミント・ティーだし。
寿太郎
ウィスキー長らく飲んでないな。ビールも飲みたい。とりあえずアフリカより前に飲んでおきたい、というか、せっかく中東にしては手に入りやすいイスラエルだから飲みたいものですね。
スガ
そうですね、また来週。